自然農法無農薬栽培の「雑草対策」

無農薬の雑草対策は「雑草を知る」ところから始まる

オモダカの花(自然農法無農薬の田んぼにて)
オモダカの花(自然農法無農薬の田んぼにて)

水田雑草、オモダカの花(自然農法無農薬の田んぼにて)

雑草は土の代弁者

水田雑草の種類

●水田雑草は200種を越えると言われています。その中で特に覚えておきたい水田雑草は、①1年生雑草の(ヒエコナギ、ミゾハコベ、キカシグサ、アゼナ、タマガヤツリ、ヒロハイヌノヒゲ)、②多年生雑草の(ホタルイオモダカウリカワクログワイマツバイ、ミズガヤツリ、ヒルムシロ)③浮遊雑草の(ウキクサ、アオウキクサ、アオミドロ、アミミドロ、イチョウウキゴケ)④藻類の(シャジクモ)、およそ以上の十数種です。●しかし、本当の意味で稲と競合し稲の生育を阻害するものは下線の雑草のみです。その他の雑草が稲の生育を阻害していることが見受けられることもありますが、自然農法無農薬の田んぼにおいては稀にしか観察されません。200種を越える水田雑草の中で、稲と競合する雑草というのは意外と少なくほとんどの雑草は稲と共存しています。

雑草の発生状況から土の状態を見極める
~自然農法無農薬栽培の実際~

●除草剤を使わない無農薬の田んぼには雑草が生えます。その中でも雑草がとてもよく生える田んぼ、あまり生えない田んぼ、一枚の田んぼの中でも雑草が多いところと少ないところがあります。実は雑草は田んぼ(土)についてとても多くのことを教えてくれています。雑草は土の代弁者なのです。●一口に雑草と言っても、多くの種類があり、それぞれに特性が異なり、好む土壌環境が違います。つまり、無農薬の田んぼに発生する水田雑草の特性をよく知ることができれば、その発生状況から田んぼや土の状態を知ることができます。雑草の発生状況から土の状態を見極め、そこから土(田んぼ)への適切な関わり方(栽培のあり方)を見出していくことが可能になってくるということです。●このように自然農法無農薬の現場では、これまでの経験、調査や試験、観察などから得られた各雑草の特性をまとめ、実際の栽培に生かしています。

<しかし、そこは自然です、「こうすればこうなる」図式が通じるほど単純ではありません。自然は複雑な多重構造になっています。その奥は深く計り知れず魅力に満ちています。無農薬の米作りの現場では雑草対策がうまくいかず雑草が多発することもあります。日々勉強です。観察に始まり観察に終わる、よく見てよく観察して、自然と付き合っていきたいと思います。>

自然農法無農薬栽培の「雑草対策」
~排除ではなく、土を育てる~

このように自然農法無農薬栽培の雑草対策は、雑草を知り、雑草の役割を知り、雑草を観察するところから始まります。雑草は、自然の摂理に基づいて発生してきています。雑草は土を肥沃にする働きを担っています。こうした自然の摂理に基づいた雑草の役割を知るならば、雑草対策の立脚点は、雑草の“排除”ではなく、雑草の役割に“沿う”こと、つまり“土を育てる”方向にあると考えざるを得ません。実際、無農薬の米作りを実践する農家の多くが「土が良くなって草が減った」と実感しています。

参考文献:拙著「自然農法の水稲栽培~栽培のイマジネーションとその立脚点~」(2009)