無農薬米づくりのコツは良い苗を育てること<その1>

無農薬・無肥料のポット苗
無農薬・無肥料のポット苗

無農薬・無肥料のポット苗

 無農薬・無肥料で育てるポット苗

最大の利点

●稲の苗を育てる時、一般的なほとんどの農家は、ひとつの箱になった箱タイプの育苗箱を用い、肥料を用土に混ぜて育てます(当農園の後述するポット育苗では完全無肥料の用土を用います)。●自然農法センターにいた頃、全国の農家生産現場をまわりましたが、箱タイプがほとんどの中で、1本の苗にひとつのポットが割り当てられたポットタイプの苗を見る機会が何度かありました。そのポット苗はがっしりとしていて逞しく、その力強さにすっかり魅せられました。●はらだ自然農園を立ち上げた時、苗は必ずこのポットタイプで育てると心に強く決めていました。●箱タイプでは一般的にはひとつの箱の中に何千本の苗が育てられ(苗数が少なくなるよう努力されている方もおられますが)、すべての苗の根がマット状に絡み合ったマット苗となります。しかしポット苗では、1ポットあたり2~3粒の種もみをまき1箱当たりの苗数も僅か448本と極めて少なく、かつ苗1株1株が独立して育ちます。●つまり、ポット育苗の最大の利点は、箱当たりの播種量がとても少なく、1ポットづつ独立していることです。つまり太陽の光をいっぱい浴びることができ、強く逞しく育っていくことのできる環境が整っているということです。

田んぼに根を張るポット苗

ポットタイプの苗は箱タイプの苗と違い、苗代(田んぼ)に根を張り自然由来の豊かな養分をしっかり吸収することができます。ポット苗が健康的で逞しいのはこうした根の張り方や土壌環境にもあるのです。(苗代については別の項で改めて述べたいと思います。)

三つ子の魂百まで

「三つ子の魂百まで」と言いますが、これは人に限った話ではなく、稲でも全く同じです。ごく小さい時の苗の性質(特性)がそのままずっと生長していく全課程で引き継がれていくのです。だからこそ、効率よりも、手間がかかっても、良い苗ができるポット苗を選ぶのです。無農薬・無除草剤・無化学肥料の米作り、雑草が生える自然農法の田んぼで自立して育っていくためには代々引き継がれた性質、幼苗の時に培った素晴らしい特性を持った強くて逞しい苗が必要なのです。