一口に“自然農法の水稲栽培”や“自然農法無農薬の米作り”と言っても、冬期湛水や不耕起栽培など、その土地、その田んぼに合わせた様々な栽培方法を選ぶことが可能です。
当サイト(本書)では全国の様々な気象・圃場条件(自然農法無農薬田)で一般的に広く実施されている、汎用性の高い、田んぼを起こす(耕す)方法を基にしながら解説していきます。
どんな栽培方法や関わり方であっても、栽培のポイントや要となるところは同じです。
本章では、栽培上の立脚点を明らかにしていきながら、各種栽培のポイントについて具体的に説明していきたいと思います。秋収穫の終りが次年度に向けた栽培のスタートです。
※以下では第2章の目次を掲載しています。
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第2章 自然農法無農薬の米作り
~各種栽培のポイント~
目次
1.田んぼの秋処理
1)秋処理のポイント①
~稲ワラの腐熟化促進とトロトロ層の形成
(1)稲ワラの腐熟化を進める
●耕起のポイント ~片野教授に学ぶ~
●すき込み時期 ~十分風化させてから~
●イトミミズの越冬と稲ワラの風化
※技術的補足
(2)秋から始まる「トロトロ層の形成」
~有機物は微生物のエサ~
2)秋処理のポイント②前編・後編
~有機物の施用について~
(1)基礎となる知見
●有機物の施用効果
●有機物の基本特性C/N比
●土壌の団粒構造
●稲ワラの還元効果
●土壌からの養分供給
●水からの養分供給
(2)養分量の不足分をどうやって補うか? その1
~農家現場における立脚点~
コラム4
自然農法とは何か?
その3「土は生きている」
(3)養分量の不足分をどうやって補うか? その2
~自然農法創始者岡田茂吉に学ぶ~
●浄化作用
●病害虫の役割
●土は肥料の塊(かたまり)
コラム5
「生きている土」の実体
(4)養分量の不足分をどうやって補うか? その3
~自然農法の実際~
●有機物は化学肥料の代替えに過ぎないのか?
●自然農法の特性とその利点
●立脚点 ~土の力と種の力~
3)秋処理のまとめ(所感)
(1)稲ワラの腐熟化促進
(2)トロトロ層の形成
(3)立脚点
コラム6
土を尊重する
2.春処理
1)春耕起のポイント
(1)その1 秋処理の仕上げ
(2)その2 代かきにつなげる
2)春の有機物施用の是非
(1)粗大有機物(稲ワラ、堆肥)の施用は不可
(2)易分解性有機物の施用について ~自然農法は土で育てる~
3)まとめ
コラム7
肥料観念 ~雑草と食味との関わり~
3.畦作り ~水の力を最大限に生かす~
1)稲づくりの3大ポイント(基礎)
2)「育土」と双璧をなす「水の力」
3)基礎づくりを徹底する
(1)畦作りの意味
(2)均平化の意味
(3)適度な水持ちと透水性
4)まとめ
4.代かきについて
1)土壌に及ぼす影響が最も大きい作業
2)日減水深は1.5~2㎝に調節
3)深水の浅代かきはコナギ対策に有効
4)間近で体感する深水代かきの効果 ~水槽実験~
5)深水浅代かきの真髄 その1 ~微生物が集結する~
6)深水浅代かきの真髄 その2 ~もうひとつの可能性~
7)技術的補足 ~2回代かきと深水浅代かき(植代)~
(1)コナギ対策の実際例
(2)荒代から植え代までの間隔
(3)土が居着いてしまう場合どうするか?
5.田植えについて
1)栽植密度と植え付け本数 ~重要~
2)植え付け深度
3)植え付け穴に注意
4)水は落とさずに田植えする
5)田植え時期と品種の選択
(1)遅植えのすすめ
(2)寒冷地の場合
(3)冷害対策 ~作期の重要性~
(4)暖地の場合
(5)多様な作付け
6.雑草対策としての田面のボカシ散布について
1)ボカシ散布の立脚点 ~イマジネーションは有用微生物の活性化~
2)ボカシ散布の発祥の地
3)ボカシの効果が出やすい圃場条件 ~田んぼが温かいこと~
4)ボカシによる雑草制御の実際
(1)技術の土台部分
(2)育土への連動
(3)ボカシ散布は力技にあらず
5)様々な圃場条件にどこまで対応できるか?
(1)ボカシを工夫する ~田んぼに合わせる~
(2)立脚点は微生物の活性化 ~ボカシを使い分ける~
(3)研究視点 <紹介1>
(4)冷水黒ボク水田に対応する ~土ボカシという発想~ <紹介2>
6)技術的補足
(1)ボカシ散布時期
(2)ボカシ材料
(3)ボカシ散布量
コラム8
未熟なものは表層に
コラム9
生命のゆらぎ
~「7.水管理」↓以下は未投稿です。しばらくお待ちください。~
7.水管理
1)水深の標準
2)イネの生長との関わり
3)田面ボカシとのかね合い
4)倒伏防止
5)ヒエとイネミズゾウムシとのかね合い
6)水管理の必須アイテム ~水見棒~
7)まとめ(所感)
8.病害虫対策
1)基本の徹底 ~土の力の発揮~
2)イネミズゾウムシ
(1)‘有機物の腐敗,が原因
(2)イネミズゾウムシは‘稲よりヒエがお好き?,
3)まとめ(所感)
9.収穫・乾燥
1)刈り取り時期 ~自然農法イネは最期まで生命感を保つ~
2)乾燥
コラム10