米農家が伝えたいお米の美味しい食べ方 ~保管からご飯の炊き方まで~

目次

はじめに

お米の保管方法

精米機について

ご飯の炊き方

まとめ

はじめに

心を込めて育てたお米、だからやっぱりお客さんに美味しく食べてほしい、そう願いこの記事を作りました。


お米は、保管方法や、ご飯の炊き方などで、その美味しさや味わいは格段に違ってきます。

今回は、お米をより美味しく食べるためにぜひ押さえておきたい大切なポイントを、①お米の保管方法、②精米機、③ご飯の炊き方の3つに分けてお伝えしていきます。

既知の事柄も多いかもしれませんが、以下に述べるポイントを再確認しながらひとつずつ押さえていくことで、お米が今よりもっと美味しくなるかもしれません。

お米の保管方法

密閉容器に入れて低温管理する

届いたお米は、密閉容器に入れて、湿気が少なく直射日光があたらない、家の中の一番涼しいところで保管します。お米はよく乾燥していますが、“生もの”と同じような感覚で扱って下さい。お米は時間の経過と共に劣化(酸化)していきます。その劣化を少しでも食い止めてくれるのが“密閉容器と低温管理”です。

理想は10~15℃、冷蔵庫がおすすめ

ちなみにお米の保管に最適な温度は10~15℃くらいが適当であると言われています。当農園では専用冷蔵庫で1年を通し12~14℃の範囲に設定して管理していますが、一般家庭ではしっかり密閉できる容器に入れて冷蔵庫で保存することをおすすめします。最近では使い勝手の良い冷蔵庫用の米びつが色々と販売されています。ペットボトルでもOKです。特に暑い夏場は、高温多湿によるお米の食味品質の劣化が著しいので冷蔵庫保存はおすすめです。

またお米は匂いが移りやすいので、匂いのきついものと一緒に保管しないように気をつけて下さい。

冷蔵庫で保存する時の注意点!
冷蔵庫からお米を出して一定時間が経過すると温度差によりお米や容器が結露することがあるので注意して下さい。特に高温多湿の梅雨時などは顕著です。必要量を取り出したらすぐに冷蔵庫に戻して下さい。

冬場なら1ヶ月、夏場なら2週間以内に食べきる

そしてなるべく早く食べきるようにします。前述したようにお米は“生もの”と同じなので、時間の経過とともに食味品質は確実に劣化していきます。出来ることなら冬場なら1ヶ月、夏場なら2週間以内で食べきれる量をお買い求め下さい繰り返しますが、夏場の常温保存による劣化は著しいです。

白米・分つき米は玄米より酸化しやすい

精米によりぬか層を取り除いた白米や分つき米は、その時から酸化が加速すると考えて下さい。つまり白米や分つき米は玄米に比べると劣化しやすいので①保管方法と②食べきれる期限(ご注文される量)に特に注意して下さい。期限が過ぎると食味が著しく落ちる可能性があります。

もちろん玄米も劣化するので低温管理は鉄則です。

精米機について

より美味しく食べるなら家庭用精米機がおすすめ

前述したように、玄米も時間の経過とともに酸化していきますが、玄米は果皮などに守られているため白米や分つき米より食味品質が保たれます。

つまり精米機で、その都度、玄米を白米や分つき米に精米することで食味品質が保たれ、お米を後半までより美味しく食べられるということです。またその日の気分で精米程度を変えられるのでお米を食べる楽しみが増えます。より美味しく食べるなら家庭用精米機はおすすめです。

今は色々な家庭用精米機が販売されているので、精米機をお持ちでない方は是非検討してみて下さい。

精米機によるお米の熱に注意!作り置きは厳禁!

精米過程でお米は熱を持ちます。精米機のタイプにより程度に違いはありますが、とても熱くなるものもあります。熱を持つとお米は痛みやすくなります。精米機で何日分も大量に精米して作り置きするとお米に熱がこもるため家庭用精米機で精米したお米は決して作り置きせずに、その都度炊飯する分のみ精米を行い、出来るだけ早く洗米に取りかかることがより美味しく食べるためのポイントです。

ちなみに冷蔵庫で保存したお米はとても冷えているので、お米の温度上昇が抑えられます。前述したように冷えたお米は温度差で結露するので冷蔵庫から取り出したらすぐに精米に取りかかりましょう。

当農園では、業務用高性能(1回通し型)の低温精米機を使用し精米によるお米への負荷を最小限に抑えています。そして低温貯蔵したお米を出荷の直前に精米します。

低温精米のコイン精米機を選ぶ

コイン精米機をご利用される場合は、低温精米を謳っているコイン精米機を選ぶようにします(機種によりお米がとても熱くなるタイプもあるので注意が必要です)。そうした低温精米であれば、多少取り置きしても大丈夫ですが、前述したように、冬で1ヶ月分、夏なら2週間分ぐらいの量を精米しましょう。そして精米後は密閉容器で低温管理します。

ご飯の炊き方

お米を正確に計る

お米は、180mlのお米専用カップできっちり計ります。専用カップにふんわりと盛り上がるように入れて、盛り上がった分をすり切り用のへらやお箸などで丁寧にすり切ります。正確に計ることが大切です。(NG:入れた後にカップの底をとんとんと叩いたり、カップを振ると多めに入るので注意!)

 <一口メモ>計量ミスを防ぐ技
うちは一回の炊飯で多い時は10合炊きます。しかし180mlカップで10回も計量していたら(ましてや計量途中で話しかけられたりしたら)、どこまで計ったのか分からなくなる時があります。もちろん大きな計量容器を使うこともひとつの手ですが、180mlカップでも間違わない方法があります。まず容器(またはお釜)の底に、1カップずつ4つの山を作ります。四角形の角に1カップずつお米を置くような感じです(コツ:対角線に置いていく)。これだと頭の中で数えなくても4カップ計ったことは一目瞭然です。次ぎの4カップ(5~8カップ分)は1~4カップ分のそれぞれの山の間に置いていきます。これも一目瞭然です。たくさん炊かれる方は一度お試しあれ!

お米を洗う

お米の入った容器にたっぷり水を入れて(湯はNGです、必ず水で)、5本の指全部を使って、右回り(時計回り)にかき回します。自然の摂理として右回りがいいそうです。この時お米を割らないように気をつけます。割れるとご飯がべたつき食味が半減します。お米どうしを強く擦り併せたり、お米を容器に押しつけるやり方はお米が割れやすくなるので絶対にしてはいけません。時計回りに水とお米をかき回すようにして洗米します。

洗米1~2回目

1回目および2回目は強く濁るので、濁りがお米に再吸着しないように、さっと洗って、さっと水を捨てます。特に1回目の洗米は気を抜かずに素早さ重視で洗米します。

洗米3回目以降

3回目以降も手際よく洗米します。素早く水を入れ、水の中で5~10回くらいかき回してお米を研ぎます。これを、水を入れ替えながら、とぎ汁の色が薄くなるまで(透明になるまで洗米する必要はありません)、3~6回ほど繰り返します。これらの回数はお米の量や容器の大きさにもよるので調整して下さい。ちなみにうちはたくさん炊くのでそれぞれの回数は多いです。

<一口メモ>米とぎ用のボールやザルが色々と売られているので是非活用してみて下さい。うちもひとつ購入しましたが、お米が大変研ぎやすくなりました。

お米を水につける

水の量は正確に計る

洗米した後はしっかり水を切ります。そしてお米の量に応じてきっちり水の量を計ります。
炊飯器であれば、内釜にお米を入れた後、目盛りに合わせて水を入れます(好みに応じて水の量を加減して下さい:下記参照)。

<一口メモ>水加減は、かためのご飯が好みの方は目盛りより少なめ、柔らかめが好みの方は多め、新米は目盛りより少なめ、古米は多めにします。お米によって違うので調整して下さい。加減は目盛りの上下2mmくらいの範囲で。
夏場は30分、冬場は1時間以上水に浸ける、玄米は5時間以上

白米や分つき米の場合、夏場なら30分、冬場なら1~2時間、お米を水に浸けておきます(浸漬工程)。玄米なら最低5時間以上の浸漬が必要です。こうしてしっかり水に浸けてから、火(スイッチ)を入れます。お米の芯までしっかり吸水させることでふっくらと美味しく炊き上がります。芯までしっかり吸水させるかどうかでご飯の炊き上がり(美味しさ)に大きな差が出るので、浸漬工程は是非押さえておきたいポイントのひとつです。

しかし浸水時間は長すぎても良くないので、白米や分つき米であれば最長で半日程度だと考えて下さい。特に夏場は水温が上がりお米や水が傷みやすいので、夏場は出来れば必要最低限の時間にします(時間の確保が出来ない時の夏場の一例:冷蔵庫の中で浸水させる、冷水を使う、帰宅時間に合わせてタイマーを設定する、帰宅後すぐに洗米浸水に取りかかる等々)

<一口メモ>最近の炊飯器は自動浸水機能が付いており(炊飯スイッチを押すと自動で浸水)、炊飯前にお米を浸水させる必要がないと取扱説明書に記載されていますが、やはり炊飯器のスイッチを押す前に十分浸水させておいたほうが美味しく炊けるように感じます。好みもあるので色々と試してみて下さい。

ご飯が炊ける、そして蒸らす

最近の炊飯器は、ご飯が炊き上がり、蒸らしの工程が終わってから炊飯終了のアラームが鳴ります。つまり終了アラームが鳴った時点で既に蒸らしは済んでいるということです。(注:炊飯器の蒸らし機能については念のため取扱説明書をご確認下さい。)

土鍋などでご飯を炊いた場合は、火を止めた後、蓋をしたままで10~15分間蒸らします。

ご飯をほぐす

蒸らし時間が経過すればすぐにほぐしにかかります。蒸らし機能が付いている炊飯器の場合はアラームが鳴ったらすぐに(10分以内)ほぐしにかかります。ご飯ほぐしは、ご飯を美味しくするための最後のとても大切な工程です。気を抜かずに炊き上がり後すぐにほぐしましょう。

ご飯をほぐす目的は、①お米の表面の余分な水分を飛ばすため、②お釜の底のご飯のほうが水分が多いので上下(天地)を入れ替えるためです。

さて、ほぐし方です。

  1. しゃもじで、真上から垂直に十字(縦と横)に底まで切り込みを入れて、お釜のご飯を均等に4ブロックに分けます。
  2. そして1ブロック毎に、上下を入れ替えながらほぐしていきます(底までしゃもじを入れて天地をひっくり返す)。
  3. この時、ほぐしのイメージ(目的)を持つことが大切です。①お米の余分な水分が飛ぶよう、②底のほうは水分が多いのでしっかり上下を入れ替える、そして③ほぐす過程でお米をつぶしてしまわないように注意すること(コツ:お米のブロックをさっさと素早く切るように)、です。
<一口メモ>お米の量が多ければ、上で述べた1ブロックを更に半分に分けてほぐすとやりやすいです。ちなみに、うちでは炊飯器で一升程炊きます。土鍋でご飯を炊く時は5合くらいまでですが、一升のご飯をほぐすのはちょっと大変です。しかし上の方法でやるとかなりほぐしやすいです。
ほぐし方でお米の味は大きく変わってくると思います。プロの料理人の中には、ほぐし方も含めて、ご飯を炊くことにかけて熟練の職人技をお持ちの方が多いかもしれません。ご飯を炊くこと、それはとても奥深い、素敵な仕事だと思います。

まとめ

これまで述べてきたポイントを一つずつ押さえていくことで、お米が更に美味しくなる可能性があります。既に実践されている方も多いかもしれませんが、ぜひ試してみて下さい。

ポイントのまとめ
保管方法
  • お米は生ものと同じ。密閉容器に入れて低温管理する。
  • おすすめは冷蔵庫用の米びつに入れて冷蔵庫で保管する。
  • 冬場なら1ヶ月、夏場なら2週間以内に食べきる。
  • 白米や分つき米は、玄米に比べると劣化しやすい。
精米機について
  • より美味しく食べるなら家庭用精米機がおすすめ。しかし作り置きは厳禁。
  • コイン精米機は低温型を選ぶ。
ご飯の炊き方
  • お米は正確に計る。盛り上がり分をへらですり切る。
  • 洗米は時計回りに。1回目はより素早く、2回目以降も手際よく。透明になるまで研ぐ必要はない。
  • 水の量は目盛りに合わせて。あとは好みで加減。
  • 浸漬時間は、夏場は30分、冬場は1時間以上、玄米なら5時間以上。お米の芯まで吸水させることで美味しさが倍増。
  • 最近の炊飯器は蒸らしが終わってから終了アラームが鳴る(取扱説明書を確認)。
  • 蒸らし機能が付いている炊飯器の場合はアラームが鳴ったらすぐ(10分以内)にほぐしにかかる。
  • 土鍋は10~15分間蒸らしてからほぐす。
  • ほぐし方は垂直に十字に切り込みを入れ4ブロックに分け1ブロック毎にほぐす。

ご飯の炊き方は奥が深いです。またなにか新しい発見あればお伝えしたいと思います。

by 京都丹波の里はらだ自然農園