拙著BOOK/自然農法の水稲栽培~ようこそ自然農法の世界へ~

はじめに

テーマ(主題)

当ページは、私(京都丹波の里はらだ自然農園代表:原田健一)の拙著、自然農法無農薬の米作りの基礎と実際について解説した自然農法の水稲栽培~栽培のイマジネーションとその立脚点~(2009年出版、現在絶版)の<全面公開>と<その後の自然農法実践農家としての新見解およびコメントを加えること>を目的として作成しました。

サイトポリシー

当サイトに掲載してある栽培技術等は必ず自己責任・自己判断のもとで実施して下さい。また当サイトに付随する栽培・農業技術等に関するコンサルティング(技術指導・アドバイス・ご質問ご相談の受付等)は一切行っておりません。ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

自己紹介 ~自然農法歴 since1997~

私は、京都亀岡の、鹿や猪がいっぱいいる自然豊かな山ふもとで、こだわりの自然農法(無農薬・無化学肥料・無除草剤)でお米を栽培し、自然農法米・自然栽培米を通販している農家です(自然栽培米は完全無肥料栽培です)。

(財)自然農法国際研究開発センター(以下本文:自然農法センター)で主に水稲栽培の研究員・技術普及員として10年余り在籍した後、独立して当地に新規就農しました。

自然農法センター時代は、京都や長野の田んぼで稲を栽培しながら自然農法を研究し、農家現場では実践農家に多くのことを教わりながら全国の数百枚の自然農法田を調査しました。

独立後まもなくして自然農法センター時代に培った自然農法無農薬栽培の技術を一冊の本としてまとめ自費出版しました。「自然農法の水稲栽培~栽培のイマジネーションとその立脚点~」(レーヴック/星雲社2009、現在絶版)です。↓

自然農法の水稲栽培~栽培のイマジネーションとその立脚点~
自然農法の水稲栽培~栽培のイマジネーションとその立脚点~
  • なお、全文を公開(掲載)するまで、相当の日数がかかる見込みです。順次更新していく予定です。また場合により加筆・修正(改変)・削除を行います。あらかじめご了承下さい。
  • 本文内に、今現在の実践農家としての「コメント」「補足説明」として以下のようなボックス↓を挿入していきます。
コメント
補足説明

では早速、始めていきたいと思います。

↓以下拙著本文

自然農法の水稲栽培 ~栽培のイマジネーションとその立脚点~

本の帯(表表紙)

本書は、自然農法の技術を分かりやすく具体的にお伝えできればと願って作成した。「農家現場の実際」を中心に紹介していく。

自然農法というと、自然放任をイメージする方もいるが、

「自然の摂理に則った関わり方をすることによって、より自然(土)の力を引き出す」

それが本書でお伝えしたい“自然農法”である。

本の帯(裏表紙)

「土が良くなると雑草が減る」というのは、今や自明の理です。農家現場における様々な観察状況、そして雑草の‘土を肥沃化する,という自然界における働きからは、雑草対策における立脚点は、‘排除,ではなく、雑草の役割を認め‘土を育てる,ところにあると考えざるを得ないところに来ています。(本分より)

・はじめに ・序章 ・第1章 ・第2章 ・第3章 ・第4章 ・第5章 ・引用・参考文献

はじめに

『自然農法の水稲栽培』の更なる発展に向けて

遥か昔、弥生時代頃に水田稲作は始まり、以来、日本文化を語る上で、稲作文化はなくてはならない存在になった。田んぼは、日本人の心の奥深くにこんこんと湧き出る遠く古里への郷愁であり、遥か古代へと辿るロマンである。度重なる苦境にあっても絶えることなく先祖代々受け継がれてきた、まさに私達日本人の誇るべき、現存する文化である。時は遥か悠久の旅路を行くが、ここ僅か数十年の間に、今や‘農,の緊張度は、極限まで高まってしまったように感じる。それは、農の衰退を嘆くのではなく、現在のこの世の中にあってこそ、農は渾然と光り輝く‘望,であるがゆえに、すなわち人が生きていくための根源であるがゆえに、農に期待される役割の大きさゆえである。農の持つ本質に自ずと帰らざるを得ない、今、揺り戻され、人の心はようやく真剣に原点を探し始めた、と感じる。●自然農法の稲つくりは、今の世にあって鳴り響く、あらゆる要素を内包した、実に豊かな魅力に溢れている。それは経験すれば一目瞭然である。●本書は、「自然農法で稲を作ってみたい」また「既に取り組まれている」方々に、自然農法の技術(真髄)をより分かりやすく具体的にお伝えできればと願って作成した。より実践的な目線で、自然農法の稲つくりの「農家現場の実際」を中心に紹介していく。大切なことは、「いかに技術を自分のものにしていくか」であり、「いかに多種多様な現場に対応していくか」である。‘そのコツ,についても触れていきたい。●本書の内容については、自信を持っておすすめしたいが、一般的に認知されている従来の方法や考え方と大きく異なることがあるため、場合によっては、読者の‘発想の転換,を余儀なくされる場面があると想像する。●筆者自身の力足らずは百も承知の上であるが、これまで数百の自然農法田を渡り歩き‘観察に明け、観察に暮れた,日々の中で実際に感じ取ってきたものを拠り所とした。(財)自然農法国際研究開発センター(以下本文:自然農法センター)を去ってなお、当時の仕事の延長でペンを握らせたのは、『自然農法の水稲栽培』の今後の更なる発展に向けて、己のすべてを出し切り、少しでもお役に立てればという願いである。そのためには多くの先達の教授が必要であったし、自然農法センターの諸先輩方や各地の農家の存在抜きには、何一つ語ることはできないものばかりである。そうした先達の貴重な知見も紙面が許す限り紹介していきたい。●自然農法はまだまだ発展途上の段階にある。自然農法の捉え方には個人差がある。‘型,にはめて考えることは何もない。基本的には自由であると考えている。ゆえに、本書を読み進めていく上で、共に考え、共に創造していただければと願っている。‘答え,は田んぼの中にある。その‘瞬間,のため、本書が何らかの一助になればこの上ない喜びである。
2009年 著者

2007年末自然農法センター退職後すぐに、研究員・技術普及員としての情熱が覚めやらないまま本書の執筆を始め、(一部の項を残し)数ヶ月で本書を一気に書き上げました。よって本書全般に渡り、やや研究的な内容になっています。ゆえに読みにくい部分もあると思われ、このような枠(ボックス)内でコメントなどを入れていく予定です。また特に大切と思われる箇所には赤のアンダーラインなどを引いていきます。

→ 序章(育土の意味~雑草の発生との関わり~)へすすむ