無農薬米づくりのコツは良い苗を育てること<その2>

湧水と沢ガニ<きれいな水(水質階級I)の指標生物>
湧水と沢ガニ<きれいな水(水質階級I)の指標生物>

当農園は湧水に恵まれており、きれいな水(水質階級I)の指標生物である沢ガニをよく見かけます。その湧水を汲み、湧水の中に種もみを浸け、湧水の中で発芽させます。

無農薬米にとって大切な最初の出会い

湧水の中で発芽させる

種もみにとって最初の出会いは大切です。水の中で種もみの中で少しずつ芽が動き始める時、そして種もみから芽が出た瞬間、この地の自然由来の水を吸収し、この地の湧水の鼓動を感じます。前項で「三つ子の魂百まで」は稲の場合でも全く同じであり生涯にわたりその特性を引き継ぐと述べましたが、種もみにとって、そこから出る芽にとって、この地の、この自然由来の湧水との出会いはとても大切で重要なことなのです。
(当初は、湧水の中に直に種もみを浸けていましたが、毎年選別してきた大切な種もみであり、用心のため、湧水を汲んで、水を循環させることができる容器の中で発芽させています。)

<豆知識>発芽と出芽の違い

土の中で種子(種もみ)から芽が出始めた状態のことを”発芽”と言います。水稲栽培では種まき前に種もみを水の中に浸けてほんの少しだけ発芽させた種もみを蒔きます。ちなみに多年生の栄養体からの場合は“萌芽”と言います。

“出芽”は土の中から芽が顔を出した時点を指します。一般に、“発生”は地表から芽が出てきた出芽以降のことを言います。