こだわりの低温乾燥、だから当農園の無農薬玄米は生きている、旨みがある、発芽玄米ができる
稲穂の完熟を待ってから刈る
●「無農薬完熟米」の項でも述べましたが、当農園ではできる限り籾を完熟させたいと考えているため、刈り取り時の籾水分が20%の前半から、場合により20%を切ってから稲刈りを行うようにしています。つまり田んぼで稲穂の籾の完熟を待ちながら、自然に少しずつ籾水分が落ちていくのを待ちます。●このように田んぼの中で籾が完熟していく過程で自然に水分が抜けていくほうが自然由来の旨みがお米に残ります(ちなみに一般の慣行農法ではむしろ逆に早刈りが進められていますが、自然農法無農薬では一般で言われているより遅く刈るほうがお米は美味しいです)。
自然のリズムでゆっくり乾燥
~低温30℃以下で無農薬玄米の旨みを逃さない~
●そして稲刈り後は籾を乾燥させる必要がありますが、貯蔵性や食味品質を考慮して籾水分は15~15.5%に乾燥調整します。田んぼで20%前後に籾水分が落ち着いているので、稲刈り後の籾の乾燥は、自然のリズムでゆっくり乾燥させることができます。●乾燥は、最新式の遠赤乾燥機(太陽光に含まれる遠赤外線を使用して自然乾燥に近い食味の良い乾燥、と謳われている)を使用しています。決して機械任せにはせず、天候や籾張り込み時の水分等を考慮しながら、随時手動で調整を行い、お米の旨味を逃さない「ゆっくり低温乾燥(30℃以下)」を実施しています。乾燥終盤は何度も高精度水分計で籾の水分状態を計りながら、適正水分に仕上げていきます。●乾燥は初めは風だけで行います。全体がなじむのを待ってから、低温の30℃以下で乾燥させていきます。この30℃以下という温度設定は極めて低い、食味品質を保つ最高レベルです(ゆえに、もちろん玄米は生きており、発芽させることができます、発芽玄米になります、生育環境が整えば、育苗して、稲を育てることもできます)。天気の良い日は風だけで乾燥を進ませることもあります。このように自然のリズムに逆らわないように少しずつ慎重に乾燥させていきます。●さらに乾燥半ばで半日程度一旦乾燥を止めます。こうしてさらに全体を馴染ませます。私はこの作業を「お米を寝かせる」と呼んでいます。その後乾燥を再開しますが、乾燥状況を見極めもう一度この「お米を寝かせる」場合があります。決して急ぐことなくゆっくり乾燥させていきます。●そして最終的に籾水分が15~15.5%に落ち着くようにします。最期の段階は手動の精密水分計で何度も水分確認をします。乾燥作業は栽培の仕上げであり、緊張が伴います。丹精込めてここまで育ててきた無農薬のお米です。最後まで気を抜かず集中して仕上げていきたいと思います。この乾燥という最後の仕上げは、まさに最後のとても心の籠もる大切な仕事です。
出荷について
出荷は私(代表)の妻が主に担当しています。栽培から出荷まで私達が、はらだ自然農園としてどのように思い考えているのか端的に述べてある当農園のブログがあったので、ここで全文を紹介させて頂きます。
2017.01.12 Thursday
大切なことお正月は(もうすっかりお正月気分は抜けたが・・・)普段あまり行かないような所に行く機会がある。そこで何かしらの仕事をしている人の、いち客として、人に出会う。そして何だかしみじみ感じた。ハウンドドッグではないが、愛がすべてさ、と、うーん、こう書くと背中の上あたりがむずむずするが・・・でもそう感じたことは事実だ、仕事に愛のある人がいる、接する人に何かしらの愛だの思いやりだの優しさなりを感じさせる人、そんな気持ちで仕事をしている人がいる。
農園の中で、私は栽培を、妻は出荷を主に担当している、もちろん私は代表として出荷を含めた農園全体を見なければならないし、妻も農繁期には農作業に精を出す。そしてお互い仕事について話し合い意見を交換する。
私はお米を栽培しているが、栽培者の心はお米に伝わる、そう深く信じている。だから稲の前では、ある意味すべてを見通されているような気がするし、人格ならぬ稲格みたいなものを感じ続けているのかもしれない。そしてそんな私自身の懸命なお米を妻が袋に詰めてお客さんに送り届ける。この出荷という仕事に従事する妻の心もまた(お米に及ぼす影響としては)栽培者と同じくらい大切だと思っている。だから出荷担当者である妻がお米を袋に詰めて送り出してくれることで栽培者である私の弱点のようなものを補ってくれているように感じる。そうして初めてはらだ自然農園のお米はお客さんに送り届けることができる商品として完成する。
いつもありがとう、そう何もかもすべてに。
大切なことは、心がこもっているかどうかなのだ。
改めてそう気づかせてくれた仕事人達にありがとう。
思いよ、届け。