自然農法って何ですか?
時々、質問を受ける。
何も手を加えない、自然放任ってやつですか?
いやいや全然違う、全く違う。
今年(2019年)の冬、飯尾醸造(無農薬米を原料にしたお酢作りで有名)の米作りを担当されている伊藤さんがお越しになって、色々と話を聞かせて頂いて勉強になったが、帰り際に突然、「原田さんにとって自然農法とは何ですか?」と聞かれた。
私は、全く予期していなかった質問に、一瞬考え込んだ。<実はこれは奥が深過ぎる質問なのである。>
とっさに頭に思い浮かんだ『自分や家族が本当に食べたい物を作り提供すること』と答えた。
飯尾醸造の伊藤さんは納得されたようだったが、私としては自然農法については、もちろんお答えしたことは私の自然農法への誠の言葉であったが、お伝えしたいことがあり過ぎて、到底一言では伝えきれないというもどかしさが残った。
自然をどう捉えるのか、大自然をどう捉えるのか。自然の摂理とは何か。
自然農法は、そうした自然観の顕れ(あらわれ)である。
だから、自然農法は、人の生き方に直結している。自然農法は、人の根本(大本)にあるものである。
人は大自然に生かされ自然の恵みの中で生かされている。
農は人と自然との関わりである。
自然農法は、農作物の栽培方法であるが、一方では人の生き方(生活)そのものでもあるのだ。両者は渾然一体としていてあえて区別することはないだろう。少なくとも私の自然農法は、私が教えていただき、私が学んできた自然農法はこうである。
「・・・?」一体何だかよく分からない、という方もおられるかもしれない。
自然農法は栽培技術ではないのか?栽培方法のことではないのか?
そう、もちろんそうなのだ、先人の知恵と経験によって育まれてきた様々な栽培技術がある。でもそれらは目に見えやすい枝葉であって、極意は、大切な根っこの部分は、目に見えにくい地中にあると思っている。
どのようにして農法と人の生活(生き方)は渾然一体となって密接につながっているのか。
自然農法とは何か?ここで今一度改めて整理しながら、シリーズ(カテゴリー:自然農法とは)として、何回に分けてお伝えしていきたいと思っている。気長にゆっくりお付き合い頂ければ幸いである。
今日は、自然農法は自然観の顕れであり、人の生き方と密接につながっている、ということをお伝えしたところで終わりにしたいと思う。ではまた。